生物が忍び込んだ屋根裏

害獣の原因と主な対策、害獣の特徴

壁の向こうで音がする!?民家に住み着く動物の見分け方と対策

家屋被害を心配する方々に向けて、見た目・痕跡・被害状況別の動物の見分け方をその対策をご紹介します。

家屋被害をもたらす野生動物たち

現在日本には、民家に住み着いて子育てをしたり屋根裏や軒下に糞尿をためたりという家屋被害をもたらす野生動物が存在し、その動物たちは被害を与える獣(けもの)として害獣(がいじゅう)と呼ばれています。

家屋被害では、特にハクビシン、タヌキ、アナグマ、アライグマによる被害が多く報告されており、これらは体の大きさがほぼ同じうえに模様も似ているため、見分けがつきにくい動物種とされています。

しかし、獣害被害の有効対策として最も大切なことは「被害を与える害獣がどの動物なのか?」を特定することです。相手がどの動物かによって、有効な対策や対処の仕方が全く異なるのです。

そこで本記事では、家の中で動物の気配がする、夜になると屋根裏で物音がする、家の近くでよく野生動物を見かけるなど、実際に家屋被害を受けている方や今後の被害を防止したい方に向けて、対策の第1段階としての「動物種の見分け方」と、第2段階の「対策」についてご紹介します。

動物種の見分け方については、見た目で判別する方法、足跡やフンなどの痕跡で判別する方法、家屋被害の特徴で判別する方法の3つに分けて説明していきます。

見た目で判別する

ここでは、実際にその害獣を見たことのある方や近所の方の証言、実際に撮影した写真・動画などをもとに判別できるよう、見た目の特徴をあげていきます。

まずはハクビシンです。

ハクビシン(白鼻芯)は、その名の通り鼻筋に通った白い縦長模様が特徴です。体重は3〜5キロ、頭から尻までは50センチ前後、他の3種と比べて尻尾が細長く、地面から肩までの体高が低く細長いイタチのような体型をしています。体の毛色は、胴体が灰褐色なのに対して、手足の先や尾の先端は黒っぽい個体が多いです。

次はタヌキです。

タヌキで最も特徴的なのは、前足から肩にかけての上半身の黒い模様です。前足と同じように後足も黒いのですが、四肢の黒さはハクビシンも同じなので「上半身は前足だけでなく肩の辺りまで黒い模様が続いているか?」を注意して見分ける必要があります。もう一つ、目から頬にかけてタレ目のような黒い模様も特徴ですが、この特徴はアライグマとよく似ているため「タレ目模様は同じでも、足の色はどうだろうか?」と注意してみる必要があります。タレ目模様で

四肢が黒い場合はタヌキ、似たような顔つきでも四肢が白い場合はアライグマということになります。

次はアナグマです。

アナグマは短くてがっしりとした四肢と尾の短さが特徴です。また、アナグマという名前の通り普段は土に穴を掘って生活をするため、タヌキやアライグマより細長い体型をしています。同じく細長い体型の動物にハクビシンがいますが、ハクビシンの体重は3〜5キロなのに対してアナグマは10〜12キロと、体重にして2倍〜3倍ほどの体格差があります。

細い長い体型の動物を見つけた場合は、胴体や足がスリムで尻尾が長ければハクビシン、ずんぐりむっくりな太めの体型で尻尾が短い場合はアナグマだと判別できます。その他にも、アナグマは耳が小さく目の周りに縦長の黒い模様があるという顔の特徴もあります。

最後にアライグマです。

アライグマは本来日本には生息していない外来生物ですが、近年高い繁殖力と環境適応能力で、国内で急激に生息数が増加しています。そんなアライグマを見分ける最大の特徴は、縞模様の尻尾です。

5段から7段ほどに連なる尻尾の横縞模様は、後ろ姿を見ることがあればすぐに気付く程くっきりと分かりやすく、その模様はこどものアライグマの尻尾にも見ることができます。アライグマにもタヌキと同様、目から頬にかけて黒いタレ目模様があるため間違われやすいですが、四肢の色や尻尾の模様を見ることで判別が可能です。

痕跡で判別する

ここでは、動物が残した足跡や糞などの痕跡をもとに動物ごとの違いを見てみましょう。

民家への侵入口が分かっている場合は、侵入口に白い粉などを撒いておくことで足跡の確認ができます。ただし、野生動物の糞や体毛への接触は、寄生虫感染やノミ・ダニの被害、ウイルス感染などの危険性があるため、絶対に素手で触らないよう注意してください。

まずはハクビシンです。

ハクビシンは分類上ネコの仲間に分類されるため身体能力が大変高く、木登りが得意なのはもちろんのこと、電線を器用に渡る様子や1メートル近い高い塀をジャンプして登る様子も観察されています。足跡は前足と後足共に丸みがあって指がはっきり見え、糞は長く丸い形をしており、大きさは人間の親指ほどです。雑食性で野菜から昆虫まで様々なものを食べますが、特に果実を好むため、落ちている糞の中に種子が多く混じっている場合はハクビシンの可能性があります。

次はタヌキです。

タヌキは黒くて丸い2〜3センチほどの糞を1箇所にたくさん溜めます。これをためフンと言い、木材の腐敗やダニ・ノミ、ウイルスの繁殖、異臭の原因になり、家屋や人間の生活にも大きな影響を与えます。足跡は大きさ・形共に小型犬〜中型犬に似て丸っこく、指は4本あります。

次はアナグマです。

アナグマの糞は浅く掘った土の上にあることが多く、糞の表面に少しテカリがあるのが特徴的です。タヌキの同様に1箇所に糞を貯める”ためフン”をしますが、タヌキほど大規模なためフンになることはほとんどなく、アナグマの糞には土や泥が混じっています。また、アナグマは土に穴を掘るための長い爪が特徴で、足跡にも肉球とは別に地面に刺さったような爪痕が残ることが多いです。指は5本あります。

最後にアライグマです。

アライグマはその幅広い食性からフンの内容物による動物種の判別が難しく、小動物を食べれば糞の中に骨が含まれ、昆虫を食べれば虫の羽が含まれ、果物や野菜を食べれば植物の種が含まれ、食べたものによって大きさや形も変わるほどです。その一方で足跡は大変特徴的で、かかとを地面につけた歩き方をするため、かかとと細長い5本指の跡がくっきりと繋がって付くことが多く、人間の子どもの手のようだと例えられることもあります。

被害で判別する

ここでは、家屋被害の特徴から動物種を見分ける方法をご紹介します。まずは被害場所からの特定です。家屋被害には、野生動物が屋根裏や壁の隙間など比較的高い場所に住み着く場合と、軒下や床下など地面に近い場所に住み着く場合の2つのケースがあります。そのうち、アライグマとタヌキは両方に可能性があるのですが、ハクビシンとアナグマは被害場所での特定が可能です。

まず初めに、ハクビシンは生活のほとんどを樹上で過ごす動物であるため、屋根裏に住み着くケースがほとんどです。ネコの仲間に分類されるハクビシンは体も柔軟なため、人間が見落とすような細い隙間を出入り口に利用していることもよくあります。

よく登る木には爪痕が残っている可能性もあるため、敷地内の樹木のうち、屋根の上や梁に登れそうな木をチェックしてみましょう。

次にアナグマです。

アナグマは基本的に土に穴を掘って巣穴の中で生活しますが、似たような環境の民家の床下で生活することもあります。アナグマは体が大きくハクビシンほど木登りは得意ではないため、地面に近い床下に巣を作ることが多いようです。これらの特徴から、屋根裏被害ならハクビシン、タヌキ、アライグマの3択に、床下被害ならアナグマ、タヌキ、アライグマの3択に絞ることができます。

次に、被害の頻度や時間帯で動物種を見分ける方法です。

まずは被害の頻度についてです。4種の動物の中でもハクビシンの巣の活用は変則的で、広い行動範囲の中に複数のねぐらを持つと言われています。そのため、「毎日物音がするわけではないけどたまに動物が来ている」「毎年ある特定の季節だけ動物が来る」という場合にはハクビシンの可能性があります。

ただし、他の動物も寝る場所(ねぐら)と巣穴(子育ての場所)を使い分けたり、行動範囲に応じて引っ越しをしたり、別種の動物がいたところを新たに住処にすることもあるため、被害の頻度だけではない他の証拠と複合的に判断する必要があります。

時間帯については、本記事で紹介している4種の動物はすべて夜行性のため、残念ながら活動時間帯による判別は難しいのですが、昼間でも足音や鳴き声が聞こえる場合は被害場所で子どもを産んで子育てをしている可能性があります。

子育て中の親は子どもを守るために気性が荒くなることも多いため、こうした場合は自分たちでどうにかしようとせず、出来るだけ早く市町村や専門業者に相談・依頼をして捕獲をしてもらいましょう。対応が遅れて子どもが大きく成長してしまうと、糞尿の量も増えて足音などの騒音が増すなど、被害が更に拡大する恐れもあります。

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