狩猟税について、気になる金額や納付方法、課税免除・軽減の対象まで詳しく解説します。
狩猟税とは?納付義務のある人、ない人
狩猟税とは、狩猟者登録をしている人に課税される税金の一種で、徴収された税金は各都道府県が鳥獣保護や狩猟に関する取り組みを行う際の費用として使用されます。
以前は狩猟者登録税と入猟税の2つに分けられていましたが、現在は2つをまとめて狩猟税という名前に変わりました。この税金は、都道府県に「狩猟者登録をしている人」に納税義務があるため、狩猟免許を持っているだけで狩猟者登録をしていない人(狩猟を実施する意思がない人)は支払う必要はありません。また、課税は狩猟者登録の間隔と同様に、1年ごとに納付します。
注意しておくべき点は、複数の免許で狩猟者登録をする場合や複数県にまたいで狩猟者登録をする場合は、狩猟免許ごと、都道府県ごとに狩猟税の納付が必要になるという点です。
仮に、第一種銃猟免許とわな猟免許の両方を保持する人が、両免許を記載して狩猟者登録申請をした場合、第一種銃猟免許で狩猟を行う場合の狩猟税と、わな猟免許で狩猟を行う場合の狩猟税の合計を支払わなければならないです。もし、同様の人がA県とは別に、近隣のB県でも同じ登録をした場合は、A県に2免許分の狩猟税を、B県にも同じく2免許分の狩猟税を支払わなければいけません。
その他にも、狩猟を行うためには狩猟者登録手数料やハンター保険料、任意で加入する地元猟友会費などの費用が掛かります。申請前には必ず各都道府県に詳細を確認し、自分の予算や狩猟予定に応じて狩猟者登録を行うようにしましょう。
狩猟税の金額と納付先、納付方法まで
狩猟税の金額は、所有している狩猟免許の種類によって異なります。
散弾銃やライフル銃を扱う第一種銃猟免許で狩猟者登録を行った場合は11000円~16500円、なげ網やわな等を扱う網猟免許・わな猟免許での登録は5500円~8200円、空気銃やガス銃を扱う第二種銃猟免許での登録は5500円となります。
この金額は多くの都道府県で取り入れられている料金でありますが、あくまで目安であり、実際には各都道府県で税率を決定できるようになっています。その上、都道府県民税(住民税)所得割の納付義務の有無や、控除対象配偶者・扶養親族であるか否か、農林水産業に従事しているか否かによって、金額が異なる場合がありますので、明確な納付金額については狩猟者登録を予定している都道府県の税務署や猟友会などに事前に問い合わせましょう。
狩猟税の納付方法は、基本的に狩猟者登録の申請書と同時に支払いを行います。ただし、この納付方法は都道府県によって様々で、狩猟者登録申請書に該当金額の現金を添えて提出を求めるところもあれば、現金ではなく「狩猟税納税証紙」と呼ばれるものを税務所で購入して狩猟者登録申請用紙に貼り付けて提出する方法、狩猟者登録申請後に税務所にて自ら狩猟税を申告して納付をする方法などもあります。
万が一狩猟者登録が拒否された場合は、払い戻しが可能であるか税務署に問い合わせをしましょう。
狩猟税の課税免除、軽減措置について
狩猟税とは、基本的には狩猟登録をしている全ての人に納付義務があるのですが、行政の鳥獣被害対策に協力した人への優遇措置として、一部の人に対する課税免除や軽減の措置が存在します。
現在日本では、全国各地で鳥獣被害が深刻化・広域化している状況を受け、国をあげて鳥獣被害対策に取り組んでいます。
その取り組みの一つに「鳥獣被害対策実施隊の設置」があります。これは、鳥獣被害対策に積極的に取り組んでくれる人に特別に優遇措置を与えることで、各市町村及び狩猟者に今まで以上に鳥獣被害対策に力を入れてもらおうという画期的な取り組みです。その優遇措置の中に狩猟税の免税・軽減を含める市町村もあり、鳥獣被害対策に積極的に取り組んでくれる人への金銭的負担を減らす制度を整えているのです。
その他にも、実施隊として指名・任命された人は非常勤公務員としてみなされ、活動している最中事故に公務災害を適応するなどの優遇措置があります。ただし、この鳥獣被害対策実施隊は誰でもなれるわけではなく、各市町村長からの任命・指名が必要となるため、積極的に取り組む見込みのある人のみが適応されることとなります。
課税免除・軽減措置の詳細については、全市町村で適応されているわけではないため、まずはお住まいの市町村に「鳥獣被害対策実施隊」が設置されているか否かを確認のうえ、自分に当てはまる狩猟税免除・軽減の措置あるかどうか聞いてみましょう。
その他に、認定鳥獣捕獲等事業者の従事者や鳥獣保護管理法の許可捕獲の従事者への狩猟免除・軽減等もあります。狩猟税は狩猟者登録を継続する限り毎年納税する義務のある税金です。毎年の狩猟登録前に、自分に当てはまる課税免除や軽減の措置が無いかをしっかりと情報収集しましょう。